ダニは屋外だけでなく室内にも生息しているため、猫に寄生するのを避けるためには、日常的な対策が必要です。
猫に寄生する可能性があるダニは、以下のような種類があります。
- マダニ
- ヒゼンダニ
- ミミヒゼンダニ
- ツメダニ
マダニは大きく目視しやすいものの、他のダニは0.3mmほどと小さく、発見するのが難しいかもしれません。
ダニが寄生することで猫が感染症を引き起こす可能性があり、場合によっては命に関わる可能性も考えられるため、予防を徹底するのが重要です。
今回は、猫にダニが寄生する原因やダニによる感染症、寄生してしまった際の対処法を解説します。
あわせてダニの寄生を予防する方法も紹介するので、猫と暮らしている方は参考にしてください。
猫にダニが寄生する原因
ダニは屋外から室内に持ち込まれることで、完全に室内で飼っている猫であっても寄生する可能性があります。ダニが寄生する原因は以下の3つです。
- 屋外での寄生
- 室内での寄生
- 犬からの寄生
ダニは温度20~30度、湿度60%以上の環境を好みます。年間を通して生息しているものの、特に梅雨や夏場が繁殖しやすい時期です。
ここでは、ダニが猫に寄生する原因をそれぞれ解説します。
屋外での寄生
草むらや公園、河川敷などの自然環境にはダニが多く生息しているので、外出先で猫がダニに寄生される可能性があります。
また、住宅街にもダニがいることがあるため、家の近くを散歩するだけでも寄生されるかもしれません。
外出後は猫の体をよく見て、ダニが付いていないかチェックしましょう。また、ダニの寄生を予防するためには、なるべく猫の外出を避けるのがおすすめです。
室内での寄生
室内飼いの猫でもダニが寄生することがあります。外出先で飼い主が衣服や靴・カバンなどにダニをつけて帰宅してしまうと、屋外から室内へ持ち込まれてしまうためです。
さらに、風に乗って窓やベランダから侵入してくることもあります。
室内で飼っているからと安心している飼い主も多いかもしれません。しかし、完全にダニを防ぐのは難しいため、定期的な予防が必要です。
犬からの寄生
同居している犬がいる場合、猫にダニが寄生するリスクが高くなります。
散歩中に犬が草むらや公園などでダニを拾うケースが多く、ダニが家の中へ持ち込まれることによって猫に寄生する可能性があるからです。
特に、犬が頻繁に外出する場合には、注意が必要です。犬の散歩後にブラッシングしたり、予防薬を使用したりするのをおすすめします。
また、犬だけでなく、猫も定期的にダニのチェックを行い、早期発見と対策を心掛けましょう。
猫に寄生したダニが引き起こす可能性がある感染症
猫にダニが寄生すると、以下のような感染症を引き起こす可能性があります。
- 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- ライム症
- 猫ヘモプラズマ感染症
- Q熱
頻繁に体を掻いたり頭やお尻を振ったり、体を壁や床などにこすりつけるなどの行動が見られるときはダニの寄生を疑いましょう。
さらに、落ち着きがなく、かゆみを感じている様子がある場合も寄生を疑うサインです。
人間がダニに刺された場合も、猫に寄生している可能性を疑ってください。ここではダニが引き起こす可能性のある感染症について解説するため、把握しておきましょう。
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
重症熱性血小板減少症候群は、SFTSウイルスを保有するマダニに噛まれることでウイルスに感染し、発症する可能性があります。
猫だけでなく、人間や犬などにも感染するケースがあるため、注意が必要です。感染すると発熱や嘔吐・下痢・食欲不振などの症状が出て、重症化すると命に関わる場合もあります。
ライム症
ライム症は、ボレリアという細菌を保有するマダニに噛まれることで感染します。発熱や食欲不振・関節の痛み・歩行の異常などの症状が現れる病気です。
ライム症も重症熱性血小板減少症候群と同様に、人間にも感染する可能性があります。紅斑と見られる全身の皮膚症状や、発熱・関節痛・倦怠感などの症状が現れたら病院を受診してみてください。
猫ヘモプラズマ感染症
猫ヘモプラズマ感染症は、マダニが媒介するヘモプラズマという細菌により引き起こされます。
猫の赤血球に細菌が寄生して赤血球が破壊されることで、貧血や体重減少・食欲不振・黄疸などの症状が見られる病気です。
特に、免疫力が低下していたり病気を持っていたりする猫は重症化しやすいので注意しましょう。
Q熱
Q熱は、コクシエラという細菌が原因で、マダニを介して感染します。猫が感染したとしても目立った症状が現れることは少ないでしょう。
しかし、人間が感染すると、発熱や頭痛・筋肉痛などのインフルエンザに似た症状が見られます。
猫にダニが寄生してしまった場合の対処法
猫にダニが寄生してしまった場合は、動物病院へ連れて行って以下の表のような駆除薬を処方してもらいましょう。
駆除薬のタイプ | 特徴 | 注意点 |
---|---|---|
錠剤(チュアブル)タイプ | おやつのようににおいがついており、食べる薬 | 原料のアレルギーがないかチェックする |
スポットタイプ | 皮膚に垂らす薬 | 皮膚疾患がある場合には控え、投与後は一定期間シャンプーを控える |
スプレータイプ | 噴射する薬 | 十分に換気し、火気の近くで使用しない |
駆除薬の使用後、数時間から数日でダニは駆除できます。駆除薬の効果は1カ月程度継続するため、ダニ予防としても利用できます。
ダニが寄生しているのを見つけても、飼い主が取ったり潰したりするのは避けましょう。
猫の皮膚に食い込んで寄生しているため、取ると頭部だけが猫の体に残る可能性が考えられる他、細菌やウイルスを持っている可能性が考えられるからです。
シャンプーやブラッシング中に猫の体をチェックすることで、ダニの寄生や付着を早期に発見できます。
ダニを発見した場合は動物病院へ連れて行き、適切に処置してもらうのが大切です。
猫へのダニの寄生を予防する方法
猫へダニが寄生するのを予防する方法は以下のとおりです。
- 定期的に予防薬を投与する
- ブラッシングする
- 室内を清潔に保つ
それぞれの方法を取り入れて、猫にダニが寄生するのを防ぎましょう。
定期的に予防薬を投与する
定期的に予防薬を猫へ投与し、ダニの寄生を予防するのがおすすめです。予防薬を投与することでダニの成長や繁殖を防ぎ、寄生できない状態を維持できます。
特に、屋外に出る機会が多い猫や犬などの他のペットと暮らしている猫には、定期的な予防薬の使用がおすすめです。
また、複数の猫を飼っている場合には、すべての猫に予防薬を投与してください。獣医師と相談して、猫に合った予防薬を選びましょう。
ブラッシングする
ブラッシングすることで、猫の毛に付着したダニや卵を取り除けます。
また、ブラッシングはダニ予防だけでなく、猫の血行を促進する効果も期待できます。専用のブラシで優しく定期的にブラッシングするのがおすすめです。
日頃ブラッシングの習慣がない飼い主は、これを機にブラッシングを取り入れてみましょう。
室内を清潔に保つ
日本はダニが過ごしやすい環境の家庭が多く、予防するためにはこまめな掃除を行う必要があります。
屋外から室内にダニが持ち込まれて猫の毛布やタオル、カーペットやソファ・布団などで増殖している可能性があるため、定期的に洗濯して日光に当ててください。
また、定期的な換気や除湿も大切です。室内を清潔に保ち、ダニの寄生から猫を守りましょう。
まとめ:猫にダニが寄生しないように日常的な対策を
ダニは屋外だけでなく室内でも生息している可能性があるため、完全に室内で飼っている猫でも寄生される可能性があります。
そのため、定期的に予防薬を投与する他、室内を清潔に保ちましょう。
猫の様子を毎日観察し、いつもと異なる動きをしていないかチェックすると、ダニが寄生しても早期発見できます。
猫にダニが寄生してしまうと感染症を引き起こすリスクがあるため、日常的にダニ対策を行ってあげてください。
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